colnyago’s diary

勝手気ままに書き散らかしたものです

もうすぐワールドカップ

あと3週間でロシアW杯がはじまる。

我らが日本代表は1ヶ月ほど前にハリルホジッチを解任し、西野さんが監督に就いた。

正直なところ、私はハリルホジッチの勝負師的なところに好感をいただいていた。

もともとブラジルW杯で1分2敗に終わり、これを反省し、戦局や対戦相手に応じていくつかの戦術を使い分けることができるようになることが、今後の日本代表に求められることとなった。そして、アギーレが招聘された。

ザック就任前から、日本代表監督候補になってたりしていたし、アギーレが志向するサッカーも、ザックのサッカーを継承しつつ前述の内容も落とし込めそうな監督であった。実際、アジアカップで見せたサッカーはそれを感じさせていた。それだけに、途中解任は非常に残念だった。

むしろ、ハリルよりアギーレサッカーの4年後を見たかったくらい。

さて、ハリルはアギーレの後を継いだのだが、アギーレ以上に、そのサッカーは戦局や対戦相手に対して変化するサッカーを志向していた。親善試合はあくまで、テストだから基本事項や各選手の確認のために使われていたと感じている。親善試合で勝ちまくっても、それが何なのか。知りたいことがわかれば十分なのだ。加茂周時代の日本代表が親善試合などで勝ちまくり(ほとんど国内で)、確かランキング9位までいった。これは当然、本当の強さを反映していないことはお分かりであろう(ただし、ランキングの算定方法が当時と今では異なることには留意が必要)。

ハリルは、勝負所の試合では十分にその采配を披露した。例えば、W杯最終予選のオーストラリア戦は、今まで90分で勝ち切ったことがなかったのに、2−0の完勝だった。それも点数以上のものであった。

こういう試合を見せられたので、ただうまいだけの日本から、勝負強く、かつ、うまい日本に変われるのではないか、とかなり期待していたのだ。本大会で、コロンビア、セネガルポーランドと、それぞれ特徴の異なる相手に対して、どのような戦術を用いて戦うのか、傭兵も含めて楽しみにしていたのだ。

しかし、監督が変わってしまったことはしょうがない。前を向いて歩いていくしかないのである。

先日のガーナ戦を見る限り、西野監督は、南アフリカW杯の日本の戦い方を真似するのかもしれない。時間も少なく限られた中で、戦い方の選択を迫られている。まずは失点を少なくする戦い方は、日本が勝つためにはどうしても求められる。点が取れない以上、専守防衛に徹し、一刺しを狙う、これしかない。

個人能力で劣るため、しょうがない(ベンゲルがフランスW杯の日本戦の解説で、日本にシュケル(この大会得点王)がいれば勝てたのに、と言ったのは当たっているのである。実際、クロアチア戦、中田センタリングから中山ボレーシュートがあったが、相手キーパーラディッチの左手一本のセービングで点が取れなかった。この戦い、かなり善戦していた記憶があったが、ラディッチのセービング技術一つ取っても、日本はまだまだという印象を持った。キーパーが日本人なら、決まってます!。しかし、ラディッチのドイツ戦でのセービングもすごかった。ベスト4進出の原動力です)。

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でも、これではアトランタオリンピックのブラジル戦そのままである。

その時代から時が流れ、日本らしいサッカー(ショートパス主体で局面の1対1を避ける戦術)が模索されたこともあったが、20年経って、ここに戻ってきたのだ。いや、実際は2010年に戻ってきていたのだ。さらに、この原型は、2002年日韓W杯の日本の戦い方にも散見できる。

トルシエたちが欧州遠征で、フランス、ノルウェー、スペインにこっぴどくやられ、ある意味、フラット3のやり方を変えたあたりから、後方での守備ブロックの形成からカウンターという形にした。日韓W杯の初戦ベルギー戦での鈴木の得点は典型例だろう(小野のラストパスの精度、相変わらずすごい)。

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ちなみに、自分たちで主導権を握って勝つというやり方は2006年と2014年のW杯で破綻している。

2002〜2010年の間といえば、中田、中村、小野など稀代の選手たちがいた、個と組織が充実した時代であった。この頃ですら、主導権を握って勝つことができなかったのだ。

私は、現在の日本らしいサッカーというのは、FW-MF-DF-GK全員で粘り強く守り、カウンターで得点する、というものだと思っている。少なくとも、日本に、世界トップレベルのスペシャルな選手がいない限り、この戦いに徹するしか勝てないだろう。世界の強豪と言われるチームには、きちんとセンターラインにそういう選手を配している。

まだまだ個の力が及ばないのだ。CLの決勝トーナメントにほぼ毎年残るようなクラブのレギュラーが集まらないと、主導権を握って勝つのは無理だろう。

やはり、育成をしっかり見直し、個人戦術を磨き上げ、欧州トップレベルのクラブで常に出場できるような選手を輩出しつつげないといけない。

これがW杯で勝ち抜くための十分条件となるのではないか。

もちろん、クラブW杯で、鹿島がレアルマドリッドに善戦したこともある。これも一つの参考になる。この時の鹿島も、後方でのブロック形成から、ワイドを広く取ったカウンター型のチーム戦術を使用していた。ただ、鹿島はJリーグでも異質のチームだ。創設時からブラジル流の戦術を構築し、それを継続し続けている。90分の中でのペース配分、その時に必要な戦術の使い分けなど、日本のチームにあるまじき、試合巧者ぶり。鹿島ベースの日本代表の方がいいかもしれない、とも思う。

岡田元日本代表監督は、世界を肌で知っているだけあって、やはりいいことを言っている。非常に参考になる。岡田さんが考えて行なっていることは10年単位で時間がかかることだろう。しかし、案外、一番の近道でかつ、強さがずっと継続できるかもしれない。

ロシアW杯で戦う選手たち、監督、スタッフは、全員心底勝ちたいのだと思う、負けて良いとは考えていないだろう。だから、代表チームを見て(テレビだけど)、応援しょうと思うのだ。