イチロー引退
ついにこの日が来てしまった。
イチローは、間違いなく世界史にその名が残る日本人の一人だ。
日本にいるときは、阪神大震災後の関西の盛り上げに野球を通じて力を注いだことも覚えている。
大リーグに行っても、日本にいた時のままの自分なりのペースで野球をやっているその姿に感銘を受けた。当時から多くの大リーガーが、イチローに影響を受けたのだ。
一人の日本人が、アメリカのベースボールを変えることができたことを意味している。彼は、とてもスゴイことをやってのけたのだ。
昨日のイチローの引退会見での子供達へのメッセージから、
「野球だけでなくてもいいんですよね、始めるものは。自分が熱中できるもの、夢中になれるものを見つければそれに向かってエネルギーを注げるので、そういうものを早く見つけてほしいと思います。それが見つかれば、自分の前に立ちはだかる壁にも、壁に向かっていくことができると思うんです。それが見つけられないと、壁が出てくるとあきらめてしまうということがあると思うので。いろんなことにトライして。自分に向くか向かないかよりも、自分の好きなものを見つけてほしいなと思います。」
あえて、野球にこだわらないのは、その道を極めたヒトだから言えることか。
また、イチローの生き様でファンの方に伝わっていたらうれしいということはありますか?、という問いに対しての回答。
「生き様というのは僕にはよくわからないですけど、生き方と考えれば、さきほどもお話しましたけれども、人より頑張ることなんてとてもできないんですよね。
あくまで測りは自分の中にある。それで自分なりにその測りを使いながら、自分の限界を見ながらちょっと超えていくということを繰り返していく。そうすると、いつの間にかこんな自分になっているんだという状態になって。
だから少しずつの積み重ねが、それでしか自分を超えていけないと思うんですよね。一気に高みに行こうとすると、今の自分の状態とギャップがありすぎて、それは続けられないと僕は考えているので。地道に進むしかない。進むというか、進むだけではないですね。後退もしながら、あるときは後退しかしない時期もあると思うので。でも、自分がやると決めたことを信じてやっていく。
でも、それが正解とは限らないわけですよね。間違ったことを続けてしまっていることもあるんですけど。でも、そうやって遠回りをすることでしか本当の自分に出会えないというか、そんな気がしているので。そうやって自分なりに重ねてきたことを、今日のゲーム後のファンの方の気持ちですよね。ひょっとしたらそんなところを見ていただいていたのかなと。それはうれしかったです。そうであればうれしいし、そうじゃなくてもうれしいです。あれは。」
これも、どの分野にでも当てはめることができるのではないか。
イチローが優れているのは、運動時に体を自分のコントロール下に置くことはもちろんだが、自分の体の状態や感情、考えていることを、言葉で説明できることではないかと思う。