colnyago’s diary

勝手気ままに書き散らかしたものです

むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく

井上ひさし氏の言葉

「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに」

 科学をはじめいろんな分野に通じる教えだと思う。研究者の活動としては、新しく得た知見について、世間一般に知らせるということで、最近はプレスリリースなどがよく利用される。これは、文科省の勧めでもある。私も、何度かプレスリリースはやったことがあるが、だいぶ苦労したことを覚えている。科学の各分野で使用される専門用語は、一般ではほとんど使用されない。我々があたりまだと思っている言葉やフレーズが、ついプレスリリースでも出てしまうが、これはダメなのだ。私は文科省のスタッフさんから、プレスリリースでは、新聞記事と同レベル、つまり義務教育を終了した方が理解できる言葉遣いで、資料を書き、記者会見では話してほしい、と言われた。当時、書き上げた原稿にだいぶ赤字で修正された記憶がある。

 プレスリリースだけではない。私は、自分の研究や最新の論文で得た知識を、授業でも伝えるようにしている。そこでも、むずしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、伝えなければならない。これらかの可能性を持った学生なので、それらの可能性を潰さないようにしなければいけない。