colnyago’s diary

勝手気ままに書き散らかしたものです

全くその通り

president.jp

 私は、この方とほぼ同世代なので、記事の内容は、ほぼ自分が体験したことである。言われるように、1995年の大学院の重点化とポスドク1万人計画から歪んでしまった感はある。

 もちろん、最初の5年ほどは日本の科学力は上昇したと思う。研究は、やはりある程度のマンパワーが必要なので、当然上昇する。問題は、その後で、教員や企業の研究員の受け皿が圧倒的に不足していた。研究者の供給過多のアンバランスがその後今まで継続している。いや、むしろ、需要(=受け皿)が無さ過ぎると思う。

 もしも、政府が、官民一体になった基礎から応用までの研究を疎かにしない政策を継続していれば、今言われているような、論文、重要論文の出版数の低下、世界の科学における日本の存在感の低下など起こらなかったのではないかと思う。

 最初は段階的に出発し、出口との調整をしっかりと見極めながら実施するとかなかったのかと思うと、残念で仕方がない。

 現状、上記で凹んだ部分を立て直すのに、研究資金の選択と集中(運営交付金の削減、卓越大学など)をし、凹みが治るどころか、益々歪な構造になりつつある、という状態だと思う。やるのであれば、1995年くらいに戻し、研究や教育資金を拡充し、ルールを簡略化して、基盤形成をしっかりすることだと思う。急がば回れ、ここまで来てしまうと、もはや崩壊へと向かっている感はあるが、もっと俯瞰的な政策をお願いしたい。