5月7日にノエビアスタジアムで行われた、ヴィッセルvc横浜を観戦した。
今年の神戸は、戦い方がブレていないので、選手も腹を括っており、一貫性が出ていて迷いがなかった。これに尽きると思う。
これまでは、バルサのサッカーを目指す、という旗頭があったのだが、もはや消えてなくなった。それで良いのではないかと思う。もちろん、イニエスタはいるが、サッカーはチームで行うものだし、相手がいるので、現状の選手の特徴がうまく出せるようなものがいい。
その意味では、今の神戸のサッカーは、今いる選手に合っている。無理しているようには見えず、各人がきちんと自分の役割を果たしている。
基本は、前からきちんとプレスして、前後左右もコンパクトに保って、常にボールホルダーにプレッシャーをかけつつ、パスコースも限定し、ボールハント出来ている。
ボールを奪ったら、即再度攻撃、あるいはトップの大迫に当ててからさらにまたサイドにいったん預けてクロス。もしくは、ウイングが切れ込んでシュート、ととてもシンプルで、統一されている。
この調子で、怪我人も出なければ、このまま上位でフィニッシュも可能だろう。夏場にかけては、プレス強度が下がるかもしれない。その時は、今は途中出場が多いイニエスタを先発で使って、ボール保持をやってもいいだろう。
この試合、特に目立ったのは、大迫だ。とても調子がいい。昨年あったいっときの不調からは完全に脱した。
前半、横浜は5バックで完全に守備重視で、プレスもほとんどこない。この状況では、大迫に縦パスを出そうにも難しい。そんな時、大迫は、中盤まで降りてきて、組み立てにも参加し、どちらかのサイドに展開し、強力ウイングで勝負させて、自分はブラインドからクロスに飛び込むことを繰り返していた。動き出しが秀逸。
横浜の小川にも注目していたが、まだまだだった。そもそも、神戸の守備がよく、小川にいいボールがほとんど入らなかったし、ボールの供給源にも常にプレスをかけていた。横浜は、パスを繋げず、ビルドダウンしてしまっていた。
あと、前半左SBだった初瀬がハーフウェーラインあたりでボールを持つと、何度か、逆サイドの武藤へロングパスを通していた。試合前から同じようなボールを蹴っていたので、これはチーム戦術に組み入れられていたのだろう。よく効いていた。今期、初瀬の成長も大きい。
3点取った後は、余裕のペースダウンで試合をコントロールした神戸の完勝だった。