ジャーナル選択のツール
近年、オープンアクセスジャーナル(OAJ)の数が増加の一途で、OAJ含めてどのジャーナルに投稿するのが最も適切なのか迷ってしまうことがある。
もちろん、きちんとしたデータからしっかりとした結論が得られており、本質的に重要な内容であれば、だいたいどのジャーナルを狙うべきか自ずと決まってくるのだが、中には世に出すべきか迷うようなネガティブデータに限りなく近いものもある。
むしろ、ネガティブデータも、論文として出さないと将来の学術研究全体の無駄につながるとの考えもある。
こういう時に便利なジャーナル選択サイトで主なものを列挙した。
1、Jane: journal/author name estimator
老舗ですね。10年くらい前から存在。空欄に、abstractやタイトル、キーワードなどを打ち込みクリックすれば、ジャーナルリストが作成される。
英文校正のEdanzがやってるジャーナル選択サイト。これも、キーワードを入力すれば、適切なジャーナルを列挙してくれる。
Springerがやっているサイト。ただしSpringer系のジャーナルのみ。
こちらはElsevierの似たようなサイトで、Elsevier系のジャーナルのみ。
上記の中では、格段にJaneが使いやすいので、オススメ。
紙媒体系の昔からあるジャーナルに出した方が(図が白黒であれば)、ほとんどチャージがかからない。ほぼ無料で論文が出せる(色々付加的なものを除く必要はある)。
それに対して、OAJは結構なお金がかかる(あまりIFが高く無くても高額)。割高感をかなり感じる。nature communicationsなんか、掲載料が50万円オーバー!! 金持ちラボしか出せない。しかし、文科省がOAJを推奨しているし、OAJの方が論文の引用数も多くなる傾向があるので、最近はOAJへの投稿機会が多い。
ただし、気をつけないとオープンアクセスジャーナルの中には悪質なものがあるので注意が必要だ。いわゆるpredatory journal。最も簡単な見分け方は、PubMedやWeb of Science、Scopusなどにトレースされているかどうか。検索してもヒットしないと危ないジャーナルとなる。