colnyago’s diary

勝手気ままに書き散らかしたものです

今は昔

 タイトルは、先日のアジアカップでのベスト16対決、日本対サウジアラビア戦を見ての感想だ。

 長らく、日本はショートパス主体でボールポゼッションを高めて、相手ゴールに迫る戦略を基本としてきた。90年代中盤〜後半、その戦略に当てはまる人材も多く輩出した。名波浩中田英寿中村俊輔小野伸二など期待の名手揃いだ。彼らが中盤を支配し、勝っていく様は非常に楽しかった。

 その後、2000年代に入ると世界のサッカーも時代とともに変化し、中盤には時間がなくなり、彼らのような選手たちが活躍しにくくなってきた。求められる選手像に変化が生じたため、いわゆるファンタジスタが生き残れなくなってきたことによる。攻めも守りもできないとダメ、これを若年層から求められるため、当然のことながら、上記のような選手は枯渇してしまった。

 ここで話は戻るが、サウジ戦では、約20対80という、完全に相手有利な形にされてしまった。幸い、サウジは足元パスのオンパレードで、潰しどころははっきりわかる攻めなので、守る日本はほとんど怖さを感じなかったと思う。さらにサウジにミスも多かった。

 しかし、問題は、このサウジ相手に、日本が全く押し返す力がないことだ。つくづく中盤に名波浩中田英寿中村俊輔小野伸二レベルの選手が一人でもいればと思うのだ。そもそも日本がボールを奪い返す位置が低すぎるもの問題だが(これは相手のFWの速さを警戒しすぎで、DFが裏を取られるのを怖がったためだ)、奪ったボールをキープする技量に長けた選手がいないことが欠点だと感じた。ボールが落ち着かないのだ。リズムが一本調子で、サウジも日本の攻撃を怖いと思わなかっただろう。

 こういう試合で、リズムチェンジできる選手がいれば、つまり試合を作る選手がいれば、何倍にも日本は強くなれるのだが。モドリッチクラスとは言わないが、名波浩中田英寿中村俊輔小野伸二が、この試合にいればと思ったのだった。

 中島、南野、堂安は、いずれもアタッカーだが、この中では、堂安に、ゲームメイキングの資質はあると見ている。しかし、まだまだ名波浩中田英寿中村俊輔小野伸二レベルには到達していない。まだ20歳なので、点を取りにいってもいいし、大いにその能力を伸ばしてほしい。しかし、選手としての将来像は、イニエスタなのではないかと思う。外から見ていて、彼のプレー感覚は、サイドアタッカーというよりセントラルMFではないか、と感じるのだ。ぜひ、現代風の中盤の王様になってほしい。