実験することと書くこと
研究者の仕事をイメージすると、研究室で「実験する」が最も多いかと思う。
このことから、研究者として、「実験する」ことと同じくらい「書くこと」が重要であることがわかる。いわば、車の両輪だ。しかし、ここに一つの落とし穴があると思う。小さい頃から科学者になることが夢で、それが叶い大学や研究所で実験することは得意だし嬉しいけど、結果を論文にすることは不得意、というヒトは多いと思う。意外と苦労する。私もそうで、もっと論文を書くことは簡単だと思っていた。
論文を書くためには、1)資料収集(過去の文献)と読み込み、2)データ解析とグラフ化、3)1と2から論文の最終ストーリーを決定、4)執筆と推敲、という大まかなステップを踏まないといけない。当然、この作業の前にも資料を読み込み、仮説あるいはテーマを立ててまず何をどういう手法で明らかにするのか考える必要はある。これは下のように1セットとなっている。
(仮説を立てる)>(実験する)>(論文を書く)
この3段階をこなせるようになって初めて研究者になれる。しかし、最後の「論文を書く」が難敵なのだ。そもそも、英文執筆(このブログでは英文論文を考えている)という時点で、眉間にシワが寄ってしまう。英米に比べ、日本に生まれた時点で不利だ。そうはいっても、誰も代わりに論文を書いてくれるわけでもなく、暇を作って粛々と進めないといけない。
気をつけることは、基本的な文法(5文型、現在ー現在進行ー過去ー過去完了など)、文章の繋がり、1つのパラグラフの構成、パラグラフごとの繋がりなどだ。これをストーリーに沿ってシンプルに仕上げていく。これらは和文論文にも当てはまる。
実は、現在、いくつかの研究や研究費申請、論文執筆、海外雑誌からの取材のための書類作成に追われていてストレスが溜まっている。さらに論文を書くと、足りないデータが明らかになり追加実験をしようと思うができないというストレスも輪を掛ける。そんなこんなでストレス発散のためにこのブログを書いてしまった。