colnyago’s diary

勝手気ままに書き散らかしたものです

黒魔術

昨日、面白い記事を読んだ。

www.excite.co.jp

ロシアW杯第2戦の相手、セネガルに関するものだ。

どうも、セネガルが次戦の日本選手に対して黒魔術を使って、試合に勝とうとするかもしれないらしい。

これを見て、昔読んだ、中島らも氏の「ガダラの豚」を思い出した。

ガダラの豚〈1〉 (集英社文庫)

ガダラの豚〈1〉 (集英社文庫)

 

この本は、非常に面白い。大生部多一郎という文化人類学の大学教授が主人公。彼は、アフリカを調査し、呪術、祈祷に関する研究を行い、それなりの名声を得ていたのだが、前回調査時にアフリカで長女を亡くしている。これが物語の中では非常に重要な伏線となっており、作品中、今回のアフリカ調査での重要点である。

元々、呪術祈祷の類は、全世界中に存在したものだ(もちろん現在も存在し続けている)。日本にも、平安時代には、小説、映画にもなったが、安倍晴明という陰陽師もいたくらい。その頃は、陰陽師は、官職の一つなのだから、れっきとした職業で広く認められてきたものなのだ。

この小説の中で、日本、アフリカも巻き込んで、呪術がらみの大きな事件へと発展して行く。よくこんな壮大な内容を、きちんと小説に落とし込んだな、というもので、ぜひご一読を薦めます。本当に面白い! 中島らもが天才といわれる所以ですね。

読後、マジック、呪術、宗教、これらが元は同じものだとうことがよく理解できます。

この小説、綿密な取材をしてから書かれたらしく、執筆当時のアフリカをきちんと反映したものだと思う。そう考えると、新聞記事の「セネガルによる黒魔術」も、多分やるのかもな、と思ってしまう。

実際に、2002年のアフリカネーションズカップでも、黒魔術の使用で逮捕者が出たらしく、さらに昨年のU20アフリカカップのセネガルザンビア戦で、セネガルの選手が黒魔術らしきことを行なったらしい。

アフリカの選手にとって、呪術は現実にあるものなのだ。もちろん、相手を呪うことだけではなく、探し物、病や怪我の治癒などに適応されるものが主だという。

もっとも、誰でも彼でも呪術を扱えるかというと、そうではなく、現地でも、力の強い呪術師は限られているそうな。結構、インチキ祈祷師もいるらしい。どこも一緒だ。

第1戦の戦いを見て、日本戦でセネガルが黒魔術を使いたいと思うくらい、セネガルは日本を意識しているのかもしれない。